真日本代表

 オマーン戦後ジーコ監督は、「日本国民のみなさんとこの勝利を祝いたい」と話した会見を、「実はサプライズがあるんだ」と思わせぶりなひと言で締めくくった。
会見終了後、「サプライズって何ですか? せめてヒントだけでも」とジーコ監督に迫ると、「川淵キャプテンの許可がいる重要事項なんだ。今、言うわけにはいかない」との答えが返ってきたが、その中身は次第に明らかになった。
それは、現役35歳以上の元代表選手の電撃復帰だった。リストには、カズ三浦知良(37=神戸)とゴン中山雅史(37=磐田)のツートップのほか、秋田豊(34=名古屋)、名良橋晃(32=鹿島)、相馬直樹(33=川崎)、山口素弘(35=新潟)らフランスW杯組の名前があがっている。
 オマーンアジア最終予選への切符を勝ち取ったメンバーらは基本的に「呼ぶつもりはない」と、W杯シンガポール戦には招集されない見込みだ。
 シンガポール戦は、W杯1次予選という真剣勝負の公式戦なのだが、すでに最終予選進出を決めた日本にとっては、“消化試合”であることも事実。
 最終的に“仰天人事”を認めたジーコ監督は、「これは余興ではない。勝つためのメンバーなんだ」と力を込めたが、事実上、長く日本代表を支えた彼らの“代表引退試合”の趣になるかもしれない。しかし、もしも、シンガポールを10点差近くつけて圧倒した場合、今の日本代表にできなかったのだから、一部の選手はアジア最終予選に呼ばれる可能性だってある。ぜひともゴンにハットトリックを決めてもらいたい。

理想シンガポール戦、夢のメンバー 

          三浦知良   中山雅史
 
       名波浩   中田英寿  平野孝  

           稲本潤一 山口素弘

       相馬直樹   秋田豊   名良橋 
              
              下田崇

交代は名波に代わって小村。中山に代わって岡野。山口に変わって本田。<今週のジュビラー>
MF福西崇史(28)
新居浜工業高校時代は無名のFWだったが、たまたま相手チームの視察に来ていたジュビロのスカウトの目に留まりジュビロ入り。一年後には、ボランチに転進。あのブラジル代表主将ドゥンガとダブルボランチを組むほどに成長。小学校時代に体操で鍛えたボディバランスと巧みなドリブルが魅力。ヘディングも強い。スタミナには不安があるものの、いざというときの動きは別人。あまり喜の感情を表さないクールな人。ジュビロで一番、女性に人気がある選手。